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こんにちは。私は医療系の国家資格である理学療法士であり、出産・子育て前は病院や老人保健施設でリハビリの仕事を行っていました。
ここ数年流行っているピラティスと医療における理学療法、実はとっても関係性が深いのです!
今日は理学療法士である私の視点からピラティスについて説明していきます。
ピラティスとは?
起源
ピラティスの開発者はドイツ人のジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスです。第一次世界大戦中、戦争で負傷した人のリハビリを目的として生み出されたエクササイズです。
開発者出版の本は以下になります。
ピラティス効果
ピラティスは、心と体を同時につかうエクササイズです。姿勢・呼吸・筋肉を意識して動かすことで、身体の歪みを矯正したり、筋力や基礎代謝を向上させ、脳の活性化や集中力向上が期待できます。
対象
子供から高齢者まで幅広い年齢層が対象となります。スポーツ選手やダンサー、俳優やモデルなどにも人気が高まっています。また、身体に負荷をかけず一人ひとりにあったエクササイズを選択することが可能であるため、予防医学、妊娠時に至るまで誰でも安全に行うことが可能です。
海外におけるピラティスと医学的リハビリ
海外でピラティスはトレーニング目的だけでなく、高齢者・脳血管障害者も対象にリハビリ目的として用いられています。理学療法士(PT)の中にもピラティスの資格を取得していたり、病院や医療施設にピラティススタジオを併設していることも多いようです。
ピラティスとヨガは似ている?
ピラティス | ヨガ | |
起源 | 第一次世界大戦中の負傷兵へのリハビリ目的のエクササイズ | 4500年前古代インドで仏教における精神統一のための修行 |
目的 | 身体の筋肉を重視 身体に負担をかけずコア筋を強化し骨格矯正をする | 精神面を重視 アーサナのポーズ・呼吸法・瞑想で心と体を結びつける |
呼吸法 | 胸式呼吸 リフレッシュ効果 | 腹式呼吸 リラックス効果 |
使用機器 | マット、マシン | マット |
動作 | ポーズからポーズへと流れるように常に動く | 静と動が明確に分かれる |
ヨガとピラティス、結果としてついてくる効果(姿勢改善、柔軟性アップ)としては似ているけど、目的や呼吸法などは大きく異なることが分かりました。
理学療法とピラティスに関してはかなり深い関係がありますね!
ピラティスを効果的に行うためのポイントは?
正しい呼吸法を身につける(胸式呼吸)
ピラティスの呼吸法は胸式呼吸で完全呼吸を行うことが基本です。
交感神経が活発に働くことで、身体が活性化されリフレッシュ効果も期待できます。
- 胸式呼吸:腹筋を引き締めたまま鼻から息を吸い胸郭を外へ広げることに集中し、口から息を吐きます。運動に適した呼吸法であり、横隔膜や体幹の深層にあるコア(インナーマッスル)を鍛えることが可能です。
- 完全呼吸:正しい姿勢で肺の最大容量まで息を吸い、完全に吐き出すことをいいます。完全呼吸を行うことで、筋に十分な酸素を取り入れてエネルギーを与え、二酸化炭素を完全に吐き出すことができるため、血液の浄化に役立ち免疫力の向上が見られます。
量より質!正しい動きを学ぶ(ニュートラル・アーティキュレーション・エロンゲーション)
ピラティスでは”流れるように美しく動くこと”を意識します。身体の動かし方、筋肉の動きを正確に行うことが大切です。量より質に重点を置き、完璧な1回のエクササイズを目指すよう心がけます。
以下、ピラティスの中で最も重要な姿勢(ニュートラル)と動き(アーティキュレーションとエロンゲーション)について説明します。
- ニュートラル
ピラティスにおける”ニュートラルな状態”とは、骨盤の位置が正常であることです。図内にある上前腸骨棘(ASIS)と恥骨結合(PS)を結ぶ線が、床と垂直になる時がニュートラルな状態です。
骨盤の位置が正常であると、脊柱も自然なS字カーブの正しい姿勢となり、これがピラティスの基本の姿勢(ポジション)になります。この姿勢からピラティスを行うことで鍛えたい筋肉が効果的に力を発揮します。
- アーティキュレーション
脊椎は頸椎7個・胸椎12個・腰椎5個・仙骨・尾骨から構成されています。ピラティスでは「背骨を一つひとつ動かすように」とよく聞きますが、このテクニックをアーティキュレーションと言い、「文節的に」という意味です。自身の体(骨)をイメージしながら動かすことで脳や神経系のアプローチにもなり、脊柱の柔軟性向上が期待できます。
- エロンゲーション
ピラティスでは「頭頂部と坐骨で引っ張り合う」ように背骨(軸)を伸長させることをエロンゲーションと言います。
加齢や姿勢の悪化などによって潰れ伸びが失われた背骨が、自然なS字カーブの形と本来の動きを取り戻すことが目的です。短縮した筋肉は引き伸ばし、伸びきった筋肉はしっかり使い機能を取り戻すことで、関節を適切に動かすことができ楽な姿勢や効率のよい動きになります。
コアを意識する
人体には600以上の筋肉がありますが、ピラティスでは体幹部の筋肉を重点的に使います。これらはコア、センター、パワーハウスなどと呼ばれ、正しい姿勢を維持し、体全体の動きをコントロールする役割があります。コアマッスルとは、骨盤底筋群・多裂筋・腹横筋・横隔膜の4つの筋群を指します。
コアの強さとしなやかさを両立させることで、骨盤の体系でのエクササイズを正しく保つことができ脊椎の怪我予防につながります。
最後に…
ピラティスを行うことで自身の姿勢や体型などが変化することはもちろん、自身の身体と真剣に向き合うことで心も変化します。自身の置かれている環境、そしてその日の身体の調子に合わせたエクササイズを選択できるため、無理なく取り組めることもピラティスのメリットの一つです。人それぞれ身体能力や鍛えたい部位、改善したい体型・姿勢などは異なってくるため、その人にあったピラティス内容を行うことが重要であると感じます。
これからピラティスやリハビリの観点から、
いろんなトレーニング方法を発信していきたいと思います!
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